昨日、La loingtaineでの個展が終了しました。
今回も、多くの方にご協力頂き、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
また、今回の個展ではパリ郊外の田舎でバカンス中にも関わらず、わざわざ足を運んで下さった皆様にお礼申し上げます。
来場いただいたお客様に「空間支配とはまさしくこの事ですね」と言って頂きました。今の私には最高の褒め言葉です。
本当にココで展示ができて良かったと感じています。
この場所から作家としてのアート活動を初めて、改めてこの場所に帰ってきて、現在やりたいと考えていた可能なプロジェクトの中で、只一つを除いて全て実行する事ができました。
La loingtaineの環境とここだからこそできた展示になりました。
HANNA SOLO EXPOTISION
[MODERATO]
Installation, Movie, sound, painting, drawing, and objet
「光の速度を認識する為の実験」の小部屋をぬけたら、不可思議な宇宙空間に導かれる。
鑑賞者はこの空間をおそるおそる歩き出す。
早くもなく、遅くもない、やや緊張感を込めた速度で、確実に、歩き出す。
複雑に配置されたモノ達を避けながら、奥へ奥へと進む。
映像の影から通り抜ける人たちや、他の鑑賞者が行き交い、電車の帰郷、足音、鳥の鳴き声や雨、ピアノの音色が複雑に重なり、あちこちで各国の「ある言葉」がかわされ、また別の男女の会話がとだえとだえに混ざりあう。
そして、物語が終わる様に始まる。
ふと、振り返ると自分自身が歩んで来た道が見える。
繰り返され、全く別々の事柄があちこちで行われ、誰かの道と、誰かの道が、重なり合う。
そしてその道の中に自分が存在している事を確認する。
自身が作品である事を、客観的に認識する。
やがてこの空間を認識した鑑賞者は再び歩みだし、新たな行動をそれぞれの速度で、確実に進みだす。
メイメツとメイメツの関係性を探りながら新たな一歩を歩みだす。
そしてまた、複雑に繰り返される。
透明な光の中に七色の色が混ざり合って、やがて八つ目の色を獲得した。
個体で存在しようとする勇気が私に新しい色を使う手段を与えてくれたのだろう。
ソレとほぼ同時に現れた九つ目と十個目の色は、本当はもう、手のうちにあった事を確認できた。
存在する事の勇気。
有機である事も無機である事も存在しているメイメツの一部である事に変わりはないのだから。