2014/06/28

夜を渡る

窓から入ってくる空気は少し冷たくて、火照った体に心地良い。
今日も窓は開けておくんだ。
きっと、すぐそこで耳を澄ませてる。


いくつかのイマージュ。
交わされる目線。
落ちた先から、溢れだす。

積み重ねられたイメージのかけら達を、拾い集めて、
今夜、今日の日を、送ろう。


2014/06/27

昨日から急に時間ができたので、溜まっていた用事を一つづつこなしていく。
すべての用事が必要にかられていて、やらなくてはならない事。
その先にはいつも、誰かがいて、ひつような事。
あれも、これも、それも。
今日はいったいいくつの事を終わらす事ができただろう?


「窓は開けておくね」
時計が12時をまわるのを待って、今日はもう寝よう。

2014/06/03

とめどない事達

最近、出入りしている工場がある。
二階建てで、倉庫と事務所が繋がった不思議な作りになっていて、ペンキと埃が入り交じった匂いがする。
いくつもの色の跡が無造作に散りばめられた床の上を、遠慮がちに縫う様に歩く。
誰も居なくても流れ続けるラジオと扇風機の音が無意識に耳に入ってくる。
ラジオは永遠と雑談かニュースの一部始終を配信し続けている。
もしくは、通販か法律事務所の宣伝。
扇風機はただ、苦しそうに唸り続ける。

ーーー

開け放たれた窓から、差し込む光は緩やかに陰っていった。
雨音がかすかに聞こえた様な気がした。
流れだす空気。

「おやつを残していたのね。」
「甘いものは嫌いなので、、、」
「楽しみがなくて残念ね。」
「そんな事もないですよ。」
「御せんべいなら大丈夫?」
そう聞かれたので、笑いながら会釈を返した。

帰り道、湿った空気と草の匂いがした。
山間の奥の方の低い空はプルシャンブルーと、レモンイエローが混ざり合い、その下を、灰色の鱗雲が覆っていた。

先週の日曜日に見たドキュメンタリー映画を思いだした。
工房での日常とそこに集う人々を追った内容で、何度も、空を見上げるシーンがあった。
主な人物の話し声が、どこか聞き覚えのある声に似ている事に、今になって気がついた。
ふと、ある会話を思い出した。
それは映画の中の会話だったのか?

「矛盾しているのです。
そういうモノなのです。
だってそうでしょ?
考えてごらんなさい。
いつまででもそれではいけないのです。」

どこかの懐かしい声なのか、どこかで聞いた話だったのか。
それとも違う何かか。