2014/01/09

こんな夢をみた


VER.1

こんな夢を見た。

青白く光りだした上弦の月を、ただ心地よく眺めていると、冴えた調子で、もし、と呼ぶ声が耳に入った。

女の声だった。

やや緊張感を含んだ声色に魅かれ、声の方へ向き返ると、白練の狐面をつけた女が立っていた。

女は、白い衣の前で重ねた手をほどいて、ゆらゆらと手招きしてから、音も無く歩き出した。

向かった先には、面妖な病院があったーー