そこにラピスの11番が加わり、水晶、蛍光ピンクが全く中和されないまま重ねられる。
黄色が足りない。
破壊する。
私は何のイメージも残さない。
植えつけられたイメージを削除する。
何の情報も与えない。
カーテンの隙間から強く現された影達が、無数の光の玉を何処に留めるでも無く漂っている。
閉ざされた瞼に、陽炎が写る。
其れ等の光の変化を読み取って、中にしまわれた眼球がギリグリと動く。
ゆっくりと瞼を開ける。
現れた視界は色を持たない。
モノクロームの様に思えた。
私は、そのモノクロームが虚栄だと知っている。
熱くもなく、寒くもない光の温度が頬に血を通わす。
「またね」
耳の奥に取り残された会話。
その、発せられた音は、乱暴に、御座成りなまま、意味も無く接触し、反響する。
その傍らで、
君は世界をあくびする。