2014/04/19

秘境巡り

3月のイベントが終わるやいなや、体調を崩した。
体に蓄積された疲れを排除する。
私はいくらかの休養を自らに課した。

時間を勝ち取った私は、すんなり体調を取り戻すと、パリから遊びに来てくれた友人と四国の秘境巡りを決行。

とある山の山頂を目指そうと、見知らぬ山道を、ずんずんと登ったのは良いものの、頂上で立ち往生。
その上、ガソリンが底をつきかけ、、、。
不安は募る一方。

もはや目的地がどこにあるのかも分からぬまま、繋がらない携帯を片手に、作戦会議。
あても無く、やや下り坂になった道無き道を進む事にする。
しばらく進むと、道が道らしく広がりを取り戻してきた。

ほどなくして、民家らしき建物が見えた。
しかし、近づいてみると、目前には、赤い布を結びつけたフェンスがふさいでいた。
車を降りて確認すると、幸いにも通り抜けれそうだったので、そのまま直進する事にした。

 曲がりくねった道を大きく廻ると、その先には農村のような、人の手の行き届いた斜面が広がっていた。
 赤い椿が山道を飾り、青い空、青いトタン壁を背景に見事に咲き誇っている。
落ち葉一つない道端にはエンブレムの付いた日産自動車が緑色のハウスにしまわれており、その出入り口をブラウン管テレビが塞いでいる。
 その、民家の向かいには、端正に整備された棚田が広がっている。
張り巡らされた水に、太陽の光が反射して、青く、白く、キラ、キラと輝いて見える。



まるで時をとめられたかのように、白雲が山頂をゆっくりと包み込む。
どこからか空耳が聞こえる。
やまびこ。

土に向かう農婦。
会う話。
笑顔、手、指先、道筋。

発した音が、再び跳ね返る前に、また目前に現れた開かれたフェンスを通り抜ける。

その後も懲りずに越境。越境。
いろいろあったけど、時間を得る為の、良い時間だった。


それから、