2010/11/06

透け合って

好きな素材をいじるのは安定している。

人や生命体や物質が動いたり、感動したりする時、脳みそや命令組織のみが感情を持ち、伝達してるとは思えない。私達の中にある細胞ひとつ、ひとつは常に何かを読み取って、映しとる事を繰り返しながら、細胞のひとつ、ひとつが常に感受性のあるモノのように感じている。

それは、生命体でも、物質でも同じ様に複雑で、光と陰は色を産んでくれるのに、その美しさを掴もうとすると消えてしまう。

油絵具を使う時は、入念な下準備の上に指示体、布、膠との格闘に加え、絵具とオイルの調合を考えながら、絵具の特性とオイルの特性を考慮して格闘しなくてはならない上に、描く格闘もしていた。
目指す世界に納得がいかなければ、技法を換えて見たり、足してみたり、落としてみたり。
実に様々な格闘をへて作品が生まれる。

油絵の持つ普遍性を利用する為には、それ相当の技量がないと手を結べないのだろう。

逆に、使い慣れた素材や、好きな素材はなんて世界観を壊さないのだろう。
描いていて、とても自由だ。

只、産まれたての新鮮さを維持できない。
細胞がサラサラと流れて、すぐさま生命力を失ってしまう。