2006/07/12

弟21回ヨーロッパ旅行記

Atinai→pyhion




トルコに向けて列車移動。
今までの電車移動の中でも一番長い移動時間。
アテネからイスタンブールまで丸一日。
永遠と続く田舎の風景がのどか。









目的地はまだのはずなのにここで下ろされる。
ギリシャ語は何を言ってるのか全く理解できない。
目の前に用意されていたバスに押し詰められ、運転手の「Istanbul」と言う単語を信じて乗車する。











走る事数分。
山間に向かうにつれてますます人が無い。
バスが着いたのは無人駅。
単語とジェスチャーで精一杯状況を把握。
どうやら夜中の3時に電車が来るらしい。

こんな何もない駅で夜中の3時まで過ごさなきゃいけないなんて。
バックパッカーが何故寝袋を持つのか身にしみて良く分かった。









108度どこを見渡しても何もない。







夕方にさしかかって一匹の犬がとぼとぼと歩いて来て、線路の向うを見つめる。
ソコに何があるの?








夜になるとさすがに冷えるし虫がすごい。
困っている所に一台の原付がやって来た。
駅員さんと思われる彼とジェスチャーと単語で会話。
電車の時刻はまだのはずなのに駅員さんが来たので時間の確認がしたかったのだけど、なかなか通じない。
イスタンブールに行きたい事は良く分かったらしく、どうやら列車は来るようだ。
こんな野外で列車を待つ私達を不憫に思ったのか、近くの小屋に誘ってくれた。

言葉も通じない異国のおじさんにひょいひょいついて行くなんて、もし悪い人だったらどうなっていた事だろう?
でも、目を見れば分かる。
なんだか優しい人に思えた。

小屋では駅員さんの古めかしいベットが用意されていて、ちいさなキッチンもある。
「ビール飲む?」のジェスチャーを合図に乾杯!
でも、アテはなかったらしく、どこからともなく取って来たきゅうりを切ってくれた。

彼には子供が二人いて、そのうちの一人は同い年だった。
ほんの些細の事でも相手の事が知れるのがなんだかとても新鮮でうれしかった。
紙と鉛筆があればなんでも分かり合える。そう思った。

駅員さんはきっちりと私達を列車に乗せて、笑顔で見送ってくれた。
人の優しさが身にしみた。
つづく